単行本

【表  題】 ホームページにおける著作権問題〜現役弁護士が答えるQ&A
【著  者】 インターネット弁護士協議会
【出 版 社】 毎日コミュニケーションズ
【発 行 年】 1997年(平成9年)
【テ ー マ】 ホームページを作ったり、アクセスしたりする上で発生する著作権問題を解説
【感  想】 私も共著者の一人なので気が引けるのであるが、玉石混淆という点は否めないものの、法律に詳しくないネットワーカーとネットワークに詳しくない法律家向けにはまずまずの出来だと思う。ただし、本の性質上、つっこんだ議論を繰り広げているわけではない。

お薦め度 ☆☆☆☆☆   難易度 ☆

 

【表  題】 最前線インターネット法律問題Q&A集
【著  者】 山下幸夫
【出 版 社】 情報管理
【発 行 年】 1997年(平成9年)
【テ ー マ】 インターネットやパソコン通信を利用したりする上で発生する法律問題を解説
【感  想】 インターネット弁護士協議会が多人数を集めて2冊に分けて取り組んだテーマを、一冊で、しかも一人で書き上げてしまったというところがすごい。一般向けのQ&A集ということで、山下先生の過激さが現れていないのが残念。

お薦め度 ☆☆☆☆    難易度 ☆☆

 

【表  題】 インターネット法律相談
【著  者】 第一東京弁護士会総合法律研究所
【出 版 社】 アスキー出版局
【発 行 年】 1997年(平成9年)
【テ ー マ】 インターネットやパソコン通信を利用したりする上で発生する法律問題を解説
【感  想】 第一東京弁護士会という看板をひっさげて作っているだけあって、よく言えば真面目、悪くいえばカタい(文体がですます調で、出版社がアスキーであっても。)。おそらく、法律家向けなのでしょう。

お薦め度 ☆☆☆     難易度 ☆☆☆

 

【表  題】 よくわかる音楽著作権ビジネス1 基礎編
【著  者】 安藤和宏
【出 版 社】 リットーミュージック
【発 行 年】 1998年(平成10年)
【テ ー マ】 音楽ビジネスを行っていく上で発生する著作権問題を易しく解説したもの。
【感  想】 JASRACを中心とする音楽ビジネスでの実務上の取り扱いがよくわかり、弁護士の私が読んでも役に立つ。文章が平易なので、法律専門家以外が読んでもわかりやすいと思う。

お薦め度 ☆☆☆☆☆   難易度 ☆☆

【表  題】 よくわかる音楽著作権ビジネス2 実践編
【著  者】 安藤和宏
【出 版 社】 リットーミュージック
【発 行 年】 1998年(平成10年)
【テ ー マ】 音楽ビジネスを行っていく上で発生する法律問題(基礎編よりも著作権法以外の問題が多い。)を易しく解説したもの。
【感  想】 JASRACを中心とする音楽ビジネスでの実務上の取り扱いがよくわかり、弁護士の私が読んでも役に立つ。文章が平易なので、法律専門家以外が読んでもわかりやすいと思う。

お薦め度 ☆☆☆☆☆   難易度 ☆☆

【表  題】 サイバースペースの著作権  知的財産は守れるのか
【著  者】 名和小太郎
【出 版 社】 中央公論社
【発 行 年】 1996年(平成8年)
【テ ー マ】 技術の進歩に伴って変容を迫られていく著作権法等の姿を、アメリカで起こった実際の事件・論争を例として論じたもの。
【感  想】 読み物としては面白い。

お薦め度 ☆☆☆☆    難易度 ☆☆☆☆

 
【表  題】 よくわかるコンピュータソフトウェア著作権のQ&A
【著  者】 森本紘章
【出 版 社】 コンピュータソフトウェア著作権協会
【発 行 年】 1995年(平成7年)
【テ ー マ】 コンピュータソフトを利用するに際して日常的に行われることについての法律上の評価をQ&Aスタイルで解説したもの。
【感  想】 この本に書かれている内容がコンピュータソフトウェア著作権協会の願望を反映させているのだとしたら、同協会はつぶした方がいいのではないかと私に思わせるほど、身勝手な主張が記載されている。内容的にもひどい誤りが少なくない。「使用許諾契約」の有効性を無批判に認めてしまっているあたりもすごいと思うが、「貸した相手から、いずれ無料で別のソフトを借りるという暗黙の了解があったり前に借りたソフトのお返しだったりする等、別の形で利益を受けることがあれば」友人間でソフトの貸し借りをすることも著作権法違反になる(同書44頁)としているところなど、著作権紛争に携わってきた弁護士によるものとは思えない。貸与権は、複製物の譲渡により著作物を公衆に提供することを専有する権利でしかないのだ。

お薦め度 ☆       難易度 ☆☆

 
【表  題】 インターネット時代の著作権とプライバシー  情報化モラルの確立に向けて
【著  者】 久保田裕
【出 版 社】 アルファベータ
【発 行 年】 1998年(平成10年)
【テ ー マ】 著作権侵害やプライバシー権の侵害だと著者が考えるものをいくつか取り上げコメントを付したもの。後半部分には、著作権問題に関するQ&A集もある。
【感  想】 表題にも関わらず、インターネットに関する話題はあまり多くない。

しかし、法律専門家でない久保田氏にこういう要求をするのはこくなのかも知れないが、これだけの分量のある本ならば、自分の見解と異なる見解を少しは正確に引用することも必要なのではないだろうか。「私的使用のための複製」(もちろん正確には「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使用する目的」でなされる複製)に、「家族やそれに準ずる人のためになす複製」も含まれると私も考えるが、だからといって「友達の友達は友達だ。人類は皆家族だ。」と際限なく広げることを支持しているわけではない。そのように広げて解釈しようとする人が仮にいたとしても、「そのような拡張的な解釈はおかしい」といえばいいのであって「私的使用」を「個人的使用」に限定すべき理由にはならないはずである。

まずは、法律解釈の常道を学んでほしいものだ。

お薦め度 ☆       難易度 ☆

 
【表  題】 クリエイター・編集者のための引用ハンドブック
【著  者】 谷井精之助、豊田きいち、北村行夫、原田文夫、宮田昇
【出 版 社】 太田出版
【発 行 年】 1998年(平成10年)
【テ ー マ】 一冊丸ごと、「引用」についての解説がなされている。
【感  想】 文章が平易であり、かつ具体例の示し方も上手であり、読みやすい。自説と異なる見解もきちんと紹介しており、好感が持てる。ただ、適用な引用の範囲が狭すぎるとは思う。

お薦め度 ☆☆☆☆    難易度 ☆☆