Web日記

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1999年12月8日

 河上イチローさんの正体は私であるという記述をいろいろな掲示板に書き込んでいる匿名の方が世の中にいるようです。おかげで、ここ数日で、アクセスカウンターが数百も上昇しています。もともとが中古ソフト問題中心の地味なサイトなので、驚きです。大阪訴訟の地裁判決直後のアクセスよりも2倍近い感じで す。

 ILCのプライバシー・シンポにおける、Nシステムに関する私の発言などを見れば、私と河上氏とが同一人物でないことはわかりそうなものなのです。関心領域も、重なるところもありますが、異なるところの方が多いですしね。まあ、プライバシー・シンポなんか知らん、といわれてしまえばそれまでですが。

 ネット上では、彼の方が圧倒的な有名人ですし、彼の発言は、HP等から見る限り、中道リベラルに位置づけられるものですから、私を河上イチロー氏と断定されたところで、社会的な評価が低下したといえるのかどうかは難しいところではあるのかも知れません。だからといって、このような間違いに対して、その是正を求める法的な権利がないというのもおかしな話です。佐藤幸治的な意味におけるプライバシー権、すなわち情報コントロール権を侵害されたと見るべきなのでしょうか。名誉毀損というのはもともと社会的な評価の変動があればいいのであって、評価が低下したか上昇したかということは関係ないんだとして、このような場合でも名誉毀損が成立すると見るべきなのでしょうか。幸福追求権の1カテゴリーとしての「氏名権」という話をすべきなのでしょうか。

 

1999年9月26日

 しばらくWeb日記の更新をさぼっていましたが、再開したいと思います。

 佐藤賢一「王妃の離婚」(集英社・平11)は、読み応えのある一冊でした。舞台は、15世紀のフランス。ルイ12世がジャンヌ・ドゥ・フランス王妃を被告として申し立てた離婚裁判において、途中から王妃の弁護を引き受けたフランソワ・ベトゥーラスが主人公です。緊迫した裁判風景が縦糸として、やりすぎることで自分や周囲の人に悲劇をもたらしてしまった主人公の人生が横糸として織りなされており、見事です。

 余談ですが、この著者は、私と同い年なんですね。